« アニメ アイドルマスター第19話の重箱の隅 | トップページ | アニメ アイドルマスター第23話関係者の反応とか »

アニメ アイドルマスター第23話にスタッフの本気を見た

やべぇ、まさか本当にここまで踏み込むとは。胃が痛い。胃は痛いが面白い。

始まった当初は「無難な線で来たなぁ」という感想だったのに中盤の美希編から後半の千早編、そしてラストの春香編へとどんどん踏み込んできましたね!一歩間違えるとものすごい反発を生みそうな展開をぶち込んでくるスタッフは流石プロと言わざるを得ない。その覚悟や良し。自分が作ってたら間違いなく後半はほのぼの展開に逃げていただろうなぁ。

まず今回は残酷な描写をきっちりやってるのがすごい。「グロいのもどんどんやれ」ってわけじゃなくてね、必要な時に必要な量の残酷さを入れる勇気が良い。もちろん原因・過程・結果を考えていった時にまったく必要性がないとか、そもそも効果が薄いとかじゃ意味ないんで必要範囲内でいかに情けを掛けずに描けるかが問題。ここを勘違いするとシラけた内容になる。
22話でもいいかげん春香をいじめるなぁと思っていたけど今回はそれをさらに強化してきたねぇ。何よりキツイのが皆がサボってるんじゃなくて一生懸命自分の仕事をこなしていく結果として他の仕事がなおざりになったり団結できないという事。まどマギで知られる虚淵玄さんの脚本を指して「各人が最大限の努力をした結果が最悪の事態に結びつく」と言う人が居ますがそれに近いものがある。誰も悪くないんだけどどんどん春香にとって苦しい状況になっていく展開が切なくも心に来るものがある。今までの話では誰かのミスで状況が悪くなるような展開が多かったがここでそれをやってしまうと原因のキャラに対してすごく不満が集中してしまうので皆頑張った結果で状況を悪くするというのは良かった。

次に、原作からの要素の拾い方が上手いなぁと思います。美希編の流れは2をベースにしながらSPでの美希移籍を思わせるような描き方でしたし、千早編は無印の流れを強化したもの。そして春香編ですが、元々無印の春香はPさん好き好きオーラを出しまくってるにも関わらず全キャラ中一人だけ結ばれないという人によってはBADだろこれっていうエンディングだったわけですが、アニメでは恋愛色が薄いので雰囲気だけ持ってきて本来美希の持ちネタである事故を移植してるわけで、オリジナルの展開にしつつどこか原作の匂いを保った構成になっているのです。今まで二次創作では美希が春香になじられるような展開がちょくちょくあったのですが次回そういうのが有るのかもちょっと期待というか注目。

最後に、やっぱりシリーズの積み重ね、以前の描写の回収の仕方の上手さも光ってますね。
H1
OP2で一人のシーンがあるのは春香と千早だけなんですよねよく考えると。他のキャラは全員2人以上で登場している。千早は置いとくとして、今回の流れを見た後にこのカットを見ると意図的に見えてしまう。

H2
春香が事務所に戻ってきた時にキッチンの電灯がついてない上にそのスペース自体ファンからのプレゼントで埋め尽くされている。にも関わらず誰もそれを引き取りに来ていない。ぬいぐるみ1個で大喜びしていた14話と大違い。今まで事務所に誰か居れば電気付いていたはずなのにこの状態ということは長い間この空間がろくに使われていないことを表している。

H3
今回春香が事務所に帰社するシーンが3回もある。しかも後になるほど寂しい雰囲気になっていく。23話内での繰り返し表現。
H4
そしてもう1個の繰り返し描写がこれ。回を重ねる毎に参加人数が減っていくというじわじわ春香を絞め殺すような表現。
H5
そして3つ目の繰り返し描写は歩道橋。20話の千早の横断歩道描写と重ねて考えるなら歩道橋も2つの道、春香とそれ以外のアイドルを繋ぐ接点と読むこともできる。最初にかろうじて一緒に居た千早が海外レコーディングで居なくなり、物理的に一人になった2回目、精神的にも独りになった3回目と表現が強くなっている。3種の表現をそれぞれ3回づつ繰り返すという徹底したやり方。

H6
Pと春香の接触も3回。おそらく1話の中でくどくなりすぎないギリギリの回数が3回なんだとは思うが。ここでまた2回目のシーンで言葉は交わせないものの春香に希望与えて一度上げてるのが残酷だよね。一度折れかけた心を復活させておいて、結局ダメでした→ダメ押しで事故。

H7
3話以降あまり目立ったポジションに居なかった雪歩をもう1回同じメンバーでステージに立たせるのも上手い。あの時は春香と真で引っ張ったのに今は雪歩がセンターとして頑張ってる。練習の機会をちゃんとした理由で潰しつつ雪歩上げで一石二鳥。あとは同じく存在感の薄めだったやよいをあと2回の内にどうにしかしてくれれば言うこと無いのだが。

今回春香の印象的なアップシーンが多くてサブタイトルも「私」なのに春香が自分自身の心の中を台詞に出すシーンが全然無いんだよね。モノローグですら無い。
H8
ほとんどのシーンで眉がハの字を描いているのにそれでも自分自身を出さない。「私」でも「滅私奉公」の「私」になっちゃってる。「春香は個性がないキャラ」なんて言われますがそこを逆手にとって「自分自身を主張しないキャラ」に仕立て上げている。2話の伊織が言うようにアイドルにとって個性は無くてはならない要素でもある。美希との競合においても当然個性を発揮して行かないと主役は取れない(美希も春香も本格的な演技は初めてっぽいので技術的には多分横並び)。舞台演出家のメモで美希の所には「元気・・・!!」と書いてあるが春香の所は「うーん・・・?」になってるので煮え切らない印象なんだろうな。「全てをぶつけろ」と言われたのに下手なら下手なりにアピールするような勢いが無いと言うか。

とにかく始まる前から終わった後まで胃のキリキリする回でした。基本ほのぼの展開好きなんですが何故かこういう胃の痛くなる話も好きなんですよ、自分。あえてあのEDとかすごいしびれる。春香のラストカットとか、春香Pじゃないけどすごく胸を締め付けられると共に「よくやった」と思ってしまいます。ゲームの春香は意外と怒りっぽくて若干情緒不安定な感じもするし今までのアニメの春香は綺麗に出来過ぎていたけどこの泣き顔で本当に生きた人間としての泥臭さを感じる事ができた。
H9

関連記事:アニメ アイドルマスター第23話関係者の反応とか

|

« アニメ アイドルマスター第19話の重箱の隅 | トップページ | アニメ アイドルマスター第23話関係者の反応とか »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/66195/53439111

この記事へのトラックバック一覧です: アニメ アイドルマスター第23話にスタッフの本気を見た:

« アニメ アイドルマスター第19話の重箱の隅 | トップページ | アニメ アイドルマスター第23話関係者の反応とか »