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アニメ アイドルマスター20話は圧縮された演出の結晶

3回ぐらい見るとほぼすべての要素が把握できると思う。今回は深読みするとすごく色んな所に意味を見い出せるんですよ。多分作った側も意図してない所もあるだろうけど好意的に解釈した方が面白いと思うので自分はその方向で行きます。

過去回の布石については割愛。完成版の記事はこちら
Ch1
まず細かい所だと回想シーンで千早達の部屋の壁紙がツバメの柄で棚の上に熊のぬいぐるみが置いてあるんですよ。これはアイマス2をプレイしてないとわからないネタなんですけど仕込んでますねー。

Ch2
生すかの舞台裏でPと律子が会話してる時に非常口のランプが切れ掛かっている状態でこれは2話冒頭でも同じような演出があったけど千早にとっての「逃げ道」の無さを表してるんじゃないかなと。

Ch3
14話で765プロ特集を組んでいた雑誌が千早のゴシップ記事を書きつつジュピターageしてんのよね。黒井の手回しなんだろうけどすごくねちっこい演出だよねw

Ch4_2
春香が持ってきた紙袋はそのまま無造作に部屋の隅に置かれてるのが後で映る。要素と要素が結構繋がってんのよね。

Ch5
ここも個人的にねちっこい演出だと思うのだけど、千早の部屋においてある段ボール箱と同じ引越屋の車が意気消沈の春香の前を通る。これは「千早が遠くに行ってしまう」暗喩なのよ。千早の部屋っていまだに開けられていない箱だらけでいかにもその場所にこだわっていない、ただの寝る場所であることが分かるわけで、アイドル業をやめたら多分そこに住む意味なんて殆ど無くて、いつ引っ越してもおかしくない状況なわけです。これ初見で気が付くとより一層欝っぽくなるんですよ。

Ch6
今回横断歩道がある意味キーになるんだけど、そういう前提でこのカットを見ると赤信号がなんか意味を持っているように見える。静止画でみるとこれも恐ろしく不安を煽る絵。

Ch7
赤い服のうさぎと青い服のうさぎ。この時点ではるちは回は暗示されていたんだよ!

Ch8
左2回目の訪問時、右1回目の訪問時。同じ時間に来ているのに全く違う。2回目の春香は暗闇に差す一条の光ってことです。

Ch9
蛇口から水が垂れるシーンが2回ある。単純によくある静寂さを表す演出と捉えてもいいけどこれは千早の涙と捉えてもいい。こんな状況になっても涙ひとつ流さない千早なんだけどもちろん悲しくないわけじゃなくてもう泣き方すら忘れてる感じなんだろう。

Ch10
作詞ノートに「千早ちゃんの夢→歌うこと」って書いてある。すごいよね、自分の夢ならともかく他人の夢をなんの迷いもなく明言しちゃえる春香って。すごいプラスのエネルギーを持った娘。カミナ風に言うと「お前が信じるお前を信じるな、俺が信じるお前を信じろ!」って感じか。Pから春香への提言もそんな感じだったよね。「俺が信じる春香を信じろ」って。

Ch11
作詞で煮詰まってる春香達にPがドーナツ差し入れる所とかもナイスだね。言わずもがな、6話で春香にもらったドーナツのお返し。とにかくいろんなシーンで点と点を結んでいる。

Ch12
千早が来た時に駆け寄った響がうれしさをギュッと溜める様子とか作画面でもこだわりある。ここで半泣きの春香が千早から一番遠い所にいるのとかね。

Ch13
このシーン千早が何を言いかけたのか。歌えるか分からない、もし歌えなくてこれで最後になったとしてもせめて「皆に謝りたい」みたいな事を言おうとしたんじゃないかと想像。それに対して春香は「これからも変わらず仲間」って感じで円陣に誘っているだと思う。

Ch14
ここもね、大げさに受け取ると「春香の方から光が来てる」っていう表現に取れる。本当なら次出番の千早の方が舞台に近い側に座ってるのが自然な気がするんですよね。今回の千早にとって光はすべて春香の方からもたらされている。実際にはPとか他の皆も頑張ってるんだけどそれを束ねて千早に叩きつけたのは間違いなく春香の功績。

Ch15
今回千早回ってことで皆の衣装も青い衣装になってるんだけどここで竜宮小町の衣装が青ベースなのがすごい奇跡的っていうかね、嬉しいね。特に狙った演出とかでもなんでもないんだけど。あとは3人とも帽子や飾りの類を外しているので残りのメンバーとのバランスが取れた画になってる。

Ch17
改めて千早の前に現れた優の幻影が描いている絵が過去ではなく現在の千早を描いている。これまで画面に出た優の描いた絵は優と千早以外の人は出てきていない(画面上に人間と思われるものが最大2人までしか描かれていない)動物とか魚とかは出てくるんだけどね。こちらから見て右の絵は大きな家に3人の人間。これはひょっとしてライブ会場だろうか?過去の絵では家は小さく描かれていたので大きな建物を表している可能性がある。そして左の絵は青い光包まれた何人かの人らしきものを描いている。765プロの仲間なのかそれとも観客なのか。おにぎりっぽいものが有るのは美希?ちゃんと千早も青い服着てるし完全に今の千早を見て「歌って」と言ってるよ。

Ch18
幼い頃の自分から差し出された手を握る今の千早。事故の回想で手が離れてしまうシーンが有りましたがこのシーンを見た後だとアレって実は優の手ではなくあの頃の千早自身をそこに置いてきてしまったことの表現なんじゃないかと思うのですよ。優の事故はアニメ版では千早に近付こうとして轢かれてるので千早が優の手を離してしまった、という状況には無かったはず。ただ歌が好きで笑顔の眩しい女の子、そんな自分を切り離して優への供物にしてしまったから今の千早は笑わないし「歌いたいから歌う」という単純な思考ができない。

Ch19
残念ながら舞台に立てない律子なんだけどPの「やった!」のシーンで泣いてる。ほんの一瞬のシーンなんだけど律子を立ててくれたのが有難い。初見では気が付かなかったわ。ED以前で泣いてるのは春香と律子だけなんだよね。

Ch20
千早が歌えたら後は皆でコーラスに回ってる。ここもいいよね。

Ch21
千早と優が居た最前列のスペース。深読みするならPが千早の両親のために空けておいたんだけど来なくて代わりに・・・ってことなのかもね。

Ch22
分かりにくいんだけど嬉し泣きしてるあずさの隣で伊織が目を伏せていて、これ絶対ボロ泣きしてるよね。

Ch23
ライブ会場に居た千早と優が事務所に現れて

Ch24
そして帰ってきた千早たちとすれ違う。ここで信号が青になってるのすら演出に見える。千早の母と春香のシーンでは赤信号だったのがここでは青になってるのがもう、ね。

Ch25
横断歩道を隔てて別の道あちらとこちらに別れる過去と今。取り戻したものがある反面もう二度と手に入れることの出来無い物があることを知った。歌詞で「戻れぬ道」ってのはそういう事だと思う。

Ch26
ただ何かを取り戻しただけなら千早のこの表情は無いんですよ。嬉しいのと同時に少し寂しい顔なのはそのせい。

「約束」の歌詞について

ねぇ 今
見つめているよ 離れていても
もう涙を拭って笑って
独りじゃない どんな時だって
夢見ることは生きること
悲しみを越える力

※歩こう 果てない道
歌おう 空を越えて
想いが届くように
約束しよう 前を向くことを
Thank you for smile

※繰り返し

ねぇ 目を
閉じれば見える 君の笑顔
聞こえてるよ 君のその声が
笑顔見せて 輝いていてと
痛みをいつか勇気へと
思い出を愛に変えて
歩こう 戻れぬ道
歌おう 仲間と今
祈りを響かすように
約束するよ夢を叶える
Thank you for love

ざっと耳コピでこんな感じだと思いますがこれがまた上手くできてる。フルバージョンになるとまた違ってくるかもしれないけど、まず前半は春香達が千早に向けて歌っている。同じ歌詞を後で千早も繰り返すんだけど「ねえ 今」から「悲しみを越える力」を付けるだけで春香達から千早に送るメッセージになるんですよね。それと同時に優から千早という歌詞でも通じるダブルミーニング的な作りになっている。深いねぇ。
EDの部分になると当然千早→皆であり千早→優でもある。「痛みを勇気に」「思い出を愛に」変える事ができるようになった千早はこれまでと違う存在になると思うんですよ。優と自分の為に歌っていた子供時代、優の為だけに歌っていた今まで、そして自分と優と仲間とファンの為に歌うであろうこれから。「夢を叶える」っては自分の為に歌うことを宣言している。「戻れぬ道」ってのは良い意味で過去を振り返らない、優の為だけに歌う自分には戻らない決意の印だと思う。

とにかく歌の部分だけ注目されがちですがすごく色んな物を詰め込んで、色んな物を繋いでこの20話できています。これまでの話有っての20話です。961の謀略に苦しめられましたがそれがなければ逆に千早が吹っ切れる事はなかったかもしれない。どんな苦しいことでも未来に繋げれば血肉となるという感じでしょうか。このあたりは僕らアイマスPへのメッセージなのかもしれません。
演出の話中心に書きましたけどもちろん声優さんの演技や歌も素晴らしかった。今井さんの演技ってアイマス1の頃(2と比べてもそうだけど)よりも細い声になっていてすごく死にそうな声の出し方してるなって印象だったんですが「止めて!」って叫ぶ時とか感情の振り幅が大きくなった時に普段の声の出し方とのギャップですごい威力が高くなる感じでした。歌の方もすごく良かったですが若干「如月千早」の枠を飛び越えて「今井麻美」になっていた気もしますwわざとかもしれませんけどね。皆の合唱とか円陣組む時のあずさの「手を・・・」っていう台詞とかすごい優しくて綺麗に感じた。惜しいのは個別台詞の無かったキャラが結構いた事かな。あと1分でも時間があれば色々入れられたはずなんだけどね。個人的には亜美真美の泣き顔とか見たかった。
あと「神回」って散々言われてますけど個人的には血肉の通った人間の努力の結晶なので安易に神という言葉を使いたくない気がします。神曲とかはまだ分かるんですどね。

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コメント

タイトルにそぐわない良いレビュー!
評価っ!

投稿: 711 | 2011/11/28 17:58

今更ながら20話の素晴らしさを認識しました。

投稿: 445 | 2012/07/07 16:44

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