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菌と涎、漫画の要素は使いよう

もやしもん 6―TALES OF AGRICULTURE (6) (イブニングKC)謎の彼女X 3 (3) (アフタヌーンKC)
この2冊は上手い。何が上手いかって菌と涎というその作品を代表する要素の使い方が上手い。大学生活に菌、高校生活に涎というキーワードを持ち込むだけで凄く面白くなるのも上手いのだがその要素が実は道具であり添え物であり脇役である事が何よりも上手い。

もやしもん6巻では長谷川さんとその婚約者である龍太との政略結婚をどうやって止めるかが話の中心でありサブストーリーとしてワイン作りのマリー一家の揉め事解決が存在するのだが、主人公が菌が見えて話せるという能力はクライマックスの部分以外何の役にも立っていないし描写も少ない。主役は菌ではなく人間なのだ。菌は人と人の和を醸す道具としてそっと添えられるだけで十分に面白くなるのだ。菌とは関係ないがどうやって龍太に諦めさせるかという問題に対して龍太を悪者にせずに「木登り」というキーワードを使って解決させる作者の発想には脱帽でした。

謎の彼女Xは基本的に4人の高校生男女の恋愛を描いた作品。そこに涎とハサミという要素を加える事で漫画として成立させている。しかし今の所、彼女の涎には未知の細菌が入っているとかハサミは超古代の兵器で妖怪と戦う為の道具、などという設定は全く無く普通の高校生活を描いている。ここでも要素は派手な役回りではなくコミュニケーションの道具として使われている。涎は言葉にしにくい感情を伝える為の道具、ハサミは拒絶の印(あるいは照れも含まれるのかも)として使われるのみである。

普通の生活に、本来ありふれた要素をちょっとだけひねって加える。そして前に出しすぎない。派手な事は必要ない。職人芸の前ではありふれた食材も高級食材に負けない料理になる。これぞまさにプロの仕事。

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