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ウィッチブレイド総評

今期は26話の作品が多くてリアルタイム視聴が追いつかなくて感想書かなかったものが多いんだけど結構いい作品があったのでせっかくだから最終回に合わせてだらだらと感想書いてみる。知らない人のために書くと「ウィッチブレイド-WITCHBLADE-」とは

天羽雅音は6年前の東京大震災以前の記憶が無く家族は娘の梨穂子のみ。その梨穂子も児童福祉法の名の下に雅音から引き離されようとしていた。留置所に入れられた雅音の前に怪物が現れ次々と人を殺す中、雅音は大震災以降身につけている腕輪の力により超人「ウィッチブレイド」へ変身してしまう。

めちゃめちゃ感動的な話では無い、しかし育児放棄が著しい今の若い母親に見せてやりたい作品だと思う。欠点があったり弱い立場だったりする人たちでもこんなに頑張って生きているって事は一つの作品になりうる事なのだ。
話が進むにつれサブキャラも魅力を増してきている。温かい家庭に恵まれなかった鷹山は堅物だが雅音達の関係を見て家族とは何かを理解し、人造人間の一種である玲奈は人並みの感情が無いがわずかな取っ掛かりを元に理解しきれない感情を育てていく。震災で大事な物を全て亡くし変わってしまった斗沢、口うるさいが意外に優しい肝っ玉母ちゃん的存在のマリ子さん、良くも悪くもバイタリティー溢れる老人・チョーさん等ちょっとした部分でサブキャラのキャラが立ってくるのが良い。
もう少し砕けた話に移ると雅音役の能登麻美子が今作では非常に活きている。能登と言えば「マリみての志摩子」「スクランの八雲」「ネギまの宮崎のどか」等、内気で奥手・控えめキャラを演じる事が多い声優なのだが今回の雅音役は今までの経歴とは正反対のがさつキャラ。これがまた能登好きとしてはギャップが有って非常に良い。がさつで大雑把、服のセンスが悪くちょっとお金に汚くそして巨乳(ここ大事)。今までの能登からはかけ離れた要素ばかりを詰め込んだ雅音を見ていると面白くてしょうがない。

見始めたときはエロス&バイオレンスが売りに見えたこの作品も中盤あたりから「家族愛」をメインテーマに描き始めこれがなかなかの成功に終わった。玲奈が梨穂子に接近し始めたあたりからだんだん良くなって来た感じがする。そして栞の崩壊からウィッチブレイド装着者の死が避けられない物であると分かってからそれは加速する。今まで観察するだけに留めていた実子の梨穂子を自分の下に引き取る玲奈、お互いを唯一の拠り所としてきた雅音のアイデンティティーの崩壊と対比も上手い。個人的に好きなのは
■死を目前に娘と打ち解け生まれて初めての涙を流す玲奈のシーン(14話)。感情と言う物を知らずに生きてきた玲奈が頼んでいないのにコーヒーを入れてくれた梨穂子の行動に思わず涙を流すシーンですが或る意味機械少女が感情を獲得した時の様な感動が有りました。
■ウィッチブレイド変身後の姿を梨穂子に見られ「あんた怖くないの」って言う雅音に対し「だってママはママでしょ」と梨穂子が答えるシーン(20話)。ここは間の取り方とピアノのBGMがすごくいい。買った金魚が戦闘に巻き込まれ死んでいる演出もなかなか上手い。
■崩壊による痛みで死を実感した雅音が「死にたくない」と泣くシーン(20話)。すごくストレートな表現だと思います。死が怖いとかではなく愛娘に会う事が出来なくなるその事だけを恐れて泣くってのはすごい愛情の塊だと思いました。この後工場で腕を切ってまでウィッチブレイドを切り離そうとする覚悟もすごい。
■病院から戻ってきた雅音に梨穂子やチョーさんがご馳走を作って回復パーティーを開き事情を知ってる斗沢が涙ぐむシーン(21話)。奈月ビルメンバーの中で一人だけ雅音の死が近づいている事を知る斗沢は「写真を撮ってくれ」と言う雅音の真意と未来を思って一人泣く。だけどその涙を皆に見せないように耐えるのが格好いい。
■雅音が自分の死期が迫っている事を梨穂子に告げるシーン(22話)。自分が死んだ後にいち早く梨穂子が笑えるようになる為に逃げずに死を告げるのが偉い。「見えなくなるけどいつも一緒に居る」という表現も上手い。この話では斗沢の「神様は居ると思うか?」という問いに「居たとしてもとっくにあの瓦礫の下に埋まってる」と答えるマリ子さんの会話も面白い。
■最期の出撃を奈月ビルの住人全員で見送るシーン(23話)。味覚を失うほど肉体の損傷が激しい雅音の出撃にあえて明るく努めようとするビルの面々。マリ子さんの「今月の家賃まだもらってないからね!」の台詞やおとなしいナォミが占いの道具をへし折ってまで無理やり「大吉です!」って言う所とかもう・・・。
■斗沢が雅音の事を化け物扱いする人達に反発(24話)中田警部の「化け物」発言に静にキレて「化け物なんかじゃねぇーよ」と、ラストバトルの中継ヘリの中で「人間だ、ただの。一人の母親なんだよ!」スクープに執着していた斗沢が自分の持っている情報と思いを全て使って雅音に肩入れするシーン。斗沢の思いは視聴者の代弁みたいな物ですね。ただここは斗沢は泣いちゃっても良かったんじゃないかと思うのですが。
などなど終盤はかなり名シーンてんこ盛りでした。正直、序盤の展開で切った人は損したと思う。余裕さえあればDVD欲しいなぁ。雅音ママンはアニメ史上最高のお母さんキャラだと思いました。Iウェポンが母性を求めていたっていうオチもなかなか面白いやり方でした。とにかく当初の予想に反してかなりの良作でした!

ウィッチブレイド Vol.1 ウィッチブレイド Vol.2 ウィッチブレイド Vol.3

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