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涼宮ハルヒの憂鬱 第14話

第14話「涼宮ハルヒの憂鬱Ⅵ」

原作の「憂鬱」を読んでいる人ならこのラストが割りとありきたりな事を当然ながら知っている。「憂鬱」はそれ一本で完結しても差し支えない構成であり、「憂鬱」のラスト以降のハルヒに対するキョンの態度から考えるとむしろ「憂鬱」で終わっておいた方がすっきりする。そんな、或る意味未完成な物語を並び替える事によって擬似的に完成度を高め面白さをUPさせた話数シャッフル方式の完全なる勝利だった。これを見た後に全然ハルヒになびかないキョンを見せられるとハルヒ×キョン派の人間はイライラさせられるからなぁ。

冒頭のキョンを起こしに来て一緒に歯磨きする妹可愛いな。勝手にキョンの部屋に入ってはさみを借りてくシーンとかも必要無いんだけど良い。谷口との会話も結構楽しい。「美的ランキングA-」とか「涼宮がうつる」とか、ああこういう馬鹿話を気安く出来る環境って大事だよなぁ。妹や谷口のシーンは非日常との対比をはっきりする為の要素なんだろな。
部室でキョンとマウスの奪い合いをするみくるは本当に可愛いなぁ。言葉遣いのお姉さんっぽさと異性と気安く体をくっつけてしまう年下的な無邪気さのバランスが絶妙。このシーン、長門が二人に注目してるので内心やきもち焼いてんだろうな。
閉鎖空間内、怯えるハルヒも結構良い。キョンの「怖いならいっそ腕にすがり付いてくれ、その方が気分が出る」発言が素敵。この動じなさはハルヒから見れば頼もしく見えるんだろうか。閉鎖空間の学校の外は前回の閉鎖空間と繋がってんのね。長門とのパソコン通信、よくある手紙を読むシーンで書いた人の声が聞こえてくる様な演出をやらない所がいかにも長門のシーンっぽい。「あなたに賭ける」と「また図書館に」を打つ時に長門の逡巡が伺える間の取り方もさすが。長門個人の不利益に繋がるヒント「sleeping beauty」を最後の最後に教えるという会話の構成も上手い。長門としてはなるべくこの手は使いたくなかったという気持ちが伝わってくる。
キスをした後ベットから落ちて目が覚めて頭抱えるキョンのリアクションがいい。「フロイト先生も爆笑だっぜ」って美味し過ぎるリアクションだなぁ。ポニーテールを誉めるキョン→「冒険でしょでしょ」の流れはベタだけどいいね、ポニテ萌えとは分かってるねキョン。キスシーンのハルヒの顔を描かなかったのは正解なんだろな、個人的にはすごく見たいけど。ハルヒ「今日ほど休もうと思った日も無いわね」って言ってるのに来てるのはそこまでしてもキョンにポニテを見せたかったからなんだよなぁ。ひょっとしたらここで初めてハルヒは自覚したのかな?
後日談、中庭に居る女生徒はENOZの二人ですね、キョンと再会して泣くみくるとか胸のほくろの件でポカポカやったりするのがほんと可愛いなぁ。中の人のポンコツ演技の上手さが実に良い。それを後から悪魔の微笑で止めるハルヒも非常に良い。しんみりした時もいいけどやはりこういう傍若無人なハルヒにはニヤニヤしてしまう。最期のキョンの台詞「結局の所最初に話すことは決まっているのだ。そう、まず宇宙人と未来人と超能力者について話してやろうと俺は思っている」というゆったりとした語りがすごいすっきりとして後味の良い締めになっている。このキョンの余裕はつかの間の物なんだけど最終回として持ってくるには格好の台詞だと思う。

何でもこなせて頭もいい美少女が傍若無人に振舞うストーリーに好き嫌いは出ると思いますが個人的にここまで原作に対するリスペクトを含んだ物を見せられると問答無用で釣られてしまいます。あとは原作が色々とアレンジしやすい物だったのも大きかったですね。「蟲師」もアニメ史上で上から数えた方が早いほど原作付きアニメとして再現率・理解度の高い作品だったんだけど原作が改訂するべきポイントを殆ど持たない完成度を持っており、他人の思い付きが入り込めない(「孤高性」とでも言おうか)作品だったので良く出来てるけど必ず見なきゃいけないと原作読者に思わせるような勢いは無かった。それに対し「涼宮ハルヒ」は原作が小説だった事も有るけどアニメ化としての魅力をありったけ詰めたのが美味しかった。
アニメ化と言えば<発熱地帯>で紹介されているMegamiマガジンのインタビュー記事で

小説では人称は非常に重要な枠なのに、映像化の際にそれを意識しない場合が圧倒的に多いですね。『ひぐらし』のアニメ版は、それで大きく失敗していました。圭一の心理がきちんと描かれ、視聴者と圭一の心理が一致することが重要なのに、ふつうに客観的に描いて、上滑りしまくり。アニメ版『Fate』も同様の失敗をしていますね。

というのにすごく納得。ひぐらしはまだしもFateは人称は大事だよなぁ。原作では士郎視点以外に移るときは「Intruder」という体裁を必ず取ってセイバーや凛の視点から描いて彼女達の心情まで描くようにしてたけどアニメではそういった気配り無かったからなぁ。

あと、「涼宮ハルヒはポストエヴァか?」みたいな話が議論されてるみたいだけど個人的にはすごい無駄な議論な気がした。セカイ系的な物語と言う意味ではエヴァと比較する点もあるだろうけど人気だとか話題性だとか変な所で比べてもしょうがないのにな。そもそも「ポスト○○」って言葉自体エヴァの前には無かった言葉だから無理にポストエヴァなんて作らなくてもいいのに。みんなよっぽどエヴァにトラウマ抱えてんだなぁ。個人的にはTV最終回は良かったんだけど。

とにかく京都アニメーションスタッフと谷川先生お疲れ様でした。でも「Kanon」には特別期待はしてませんw
2期目の準備を着々と進めておいて下さい。これからは西の方に足向けて寝られないぜ。ああ、あれだ、今日は七夕なので短冊に「涼宮ハルヒの憂鬱」のアニメ2期目が放送されますようにとか書いとくといいかも。

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